〜🧠〜

前頭葉の寝息

ぬるい

 

もう秋子の季節が来たね〜 って言った時から1年も経ってしまったのか

秋子は だからわたし秋別に好きじゃないからやめてよ! と去年と全く同じ台詞を言った

変わらない

なまぬるい空気 音 時間 ひと、ひと

なにも変わらない

変わらなくていい たとえ平成が終わっても なにも変わらなくていい

 

ヘアアイロンの熱

コンクリートの雨の柄

幼少期の自分の写真を載せる人

膝をかく音

スーパーのダサいクリスマス飾り

コートのポケットの中のゴミ

濡れたベルベット

銀杏を拾う老人

既読4

手はいつでも温かい、君

 

わたしが見ている世界は 録画できない

覚えている間だけ在って

忘れた瞬間この世から消えて無くなるけど

わたしたちは忘れたことさえ知らないから別に寂しくないよね

 

変わったかもしれない 秋子も去年と違うことを言ったかもしれない

でも変わらない なにも変わってない そう思っていたい

 

この先もわたしたちは どうでもいいことを覚えたり大切なことを忘れたりして

曖昧で、ぬるいおわりを繰り返す

 

 

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